設備の運用・保守人材の減少

2011.11.04

ユーザー企業(発注者)における団塊世代社員の大量退職により、技能工を含む人材が不足する傾向にある。たとえば製造業においては、管理業務や重要な生産工程に関する業務といったいわゆるコア業務については、当面は、退職者の再雇用や、新卒採用、中途採用の拡大と人材育成により対応するものと考えられる。しかしながら、ユーザー企業にとって、電気設備、空調・衛生設備、電気通信設備等の導入設備の運用・保守は、コア業務でないことが多い。

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このため、正社員によって人材を確保する必要性は低く、人材派遣や業務委託を活用する可能性がある。この結果、設備の運用・保守サービスを提供可能な設備工事会社の交渉力が高まることが考えられる。公共投資の削減により、公共工事における設備工事の供給量は継続的な減少傾向にある。公共工事は設備工事会社の利益源の一つであるため、公共工事依存体質の強い設備工事会社間において、縮小する市場のパイをめぐっての受注競争が激化している。協力会社/技能工の中期的減少少子化や、恒常的な低い労働賃金による建設業からの若者離れ、高齢化による技能工の退職により、技能工は年々減少しており、技術継承問題も生じはじめている。このため、労働市場においては需要超過傾向に入りつつある。都心部再開発案件のうち、工事全体の短工期傾向の高まりと躯体工期の遅れから設備工事の納期に皺寄せが生じ、設備工事において大量の人材確保を必要とされることとなった案件がある。このような案件においては、労働力の調達コストがかさみ、赤字転落したケースもあり、設備工事会社の収益性を圧迫している。すなわち、労働力の売り手としての協力会社・技能工の交渉力が高まりつつある。この傾向は、今後も継続するものと考えられる。